熱帯雨林はちみつのふるさと、ソロモン諸島は南の海に浮かぶ常夏の島。
一年を通して強い日差しが降り注ぎ、青い海と豊かな森が残る生命あふれる島です。
豊かな自然や穏やかな暮らしぶりから「ハッピーアイランド」とも呼ばれ、人々は昔ながらの伝統を大切に、森や海からの豊かなめぐみを活かした自給自足の暮らしを送 っています。
ソロモン諸島に広がるどこまでもつづく熱帯雨林は、いまなお人の手の入っていない原生林も多く、グアバ・マンゴー・パパイヤ・パイナップル・ハイビスカスなど約4000種もの南国の花が咲くといわれています。
そんな大自然のなかを元気な蜂蜜が飛び回って集めたのがこのはちみつです。
広大な大自然のジャングルを飛び回って集めたはちみつですから、天候・採蜜場所・採蜜時期などの様々な条件により色や味、香りに違いが出ます。
もちろんはちみつに抗生物質や農薬は含まれません。
また、1年中蜜源が得られるソロモン諸島では、冬などに花がなくなる地域で必要になる砂糖水などの給餌の必要もありません。
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大自然のめぐみである熱帯雨林はちみつのよさを損なわないために、熱を使っての殺菌処理や過剰なろ過などはせず、自然そのままにこだわりました。
味は深いコクがあってとてもフルーティーです。よく見ると、はちみつの表面には白い泡が浮いています。
これは、はちみつに含まれる酵素が生きている証です。
熱帯雨林はちみつは、通常のはちみつに比べてびっくりするくらい濃い褐色をしています。
この褐色の秘密は、すこやかな体を保つのに欠かせないミネラル。
特にナトリウム/カルシウム/カリウム/マグネシウムを多く含むことがわかりました。
ミネラルは、いきいきとしたお肌を保つのにも大切な成分です。
一般的な蜂蜜 | 熱帯雨林はちみつ | |
---|---|---|
カリウム | 13mg | 205mg |
マグネシウム | 1mg | 7.6mg |
カルシウム | 2mg | 8.7mg |
ナトリウム | 7mg | 23.4mg |
鉄 | 0.8mg | 0.29mg |
日本食品分析センター ミネラル分析試験結果はこちら。 (参考文献:五訂日本食品標準成分表)
ソロモン諸島の熱帯雨林は、まだ人の手の入ったことのない原生林も多く、世界でも珍しい230種もの野生のランをはじめとする植物が自生し、発見されているだけでも170種を超える鳥類や昆虫等が複雑な生態系を織り成す生命あふれる森です。
人々は、喉が渇けばココナッツの木に登り、お腹が空けばバナナやマンゴーの実を探し、病気になれば薬になる植物を、家を建てるときは材料を、と様々な森のめぐみを上手に活かして暮らしています。ソロモン諸島の人々の暮らしは、森がなければ成り立ちません。
また、カスタムドクターと呼ばれる長老が各地域におり、熱帯雨林の植物の樹皮や葉などを伝統的な調合によって処方する文化がいまも色濃く残っています。熱帯雨林に自生する植物には、人間の新陳代謝を活発化させる成分が入っているとされ、特に、アルカロイド(alkaloid:窒素を含む植物性の塩基性化合物、一般に強い薬理作用を有し、多く薬品化されている)成分を豊富に含んでいます。
熱帯雨林はちみつ作りは手作りの巣箱を作るところから始まります。
ソロモンの人たちは、手先がとても器用。森に入って木を選び、ナイフを使って、一日もあればお手製の巣箱の完成です。
巣箱を置く場所は、日陰と日向がちょうど半分くらいで風通しの良いところで、人通りも少なく、静かな場所が適しています。
ソロモン諸島は、一年を通じて日本の夏のような気候なので、巣箱に蜜が集まるペースは早いのですが、難しいのが水分の調節です。すぐに収穫すると水分が多く、遅すぎると蜜の味が変わってしまうので、最低でも一週間に一度のペースで、巣箱の中をすべてチェックします。そして、水分が20%を少し下回ったタイミングで採取します。
蜜蜂が一生かかって集めることのできるはちみつの量は一匹あたりティースプーン一杯。それを分けてもらうのですから1匹1匹の蜂たちに愛情を込めて接しています。
そうして出来た貴重なはちみつは、水分量や生産地などのチェックをしたうえで、ソロモン諸島から日本へと大切に送られてきます。
ソロモン諸島の人たちにとって大切な熱帯雨林。
しかし最近では、急激に森林伐採が進んでいます。その背景には、これまで自然と折り合って暮らしてきたソロモンの人たちの生活の中で、現金の必要性が高まっていることがあります。島の多い国の中での移動に欠かせない燃料の高騰・学費・物価の上昇など、収入の術のない村に住む人たちは、森を切り売りせざるを得ない状況です。
こうした状況に対する一つの提案として、環境NGO:エーピーエスディ(APSD)は森を切らずに活かすことができる養蜂という小さな産業を育てています。そんな活動から生まれたのが、この熱帯雨林はちみつです。このクリームは、遠い南の島国の人たちの暮らしをほんの少し守ることに繋がっているのです。
おいしいはちみつの採れるソロモン諸島ですが、養蜂が始まったのはごく最近のこと。
環境NGOの運営する学校で養蜂を担当するインストラクター達も、はじめは苦労の連続でした。週に1度ほど巣箱をチェックするジョン・アラアニは巣箱を扱って間もな いころよく蜂に刺されていました。ある時は鼻をある時は耳を・・・・。
そんな彼も、今では「蜜蜂は友達」とすっかり専門家の雰囲気。
しかし、作業にもやっと慣れてきたある日、蜂が一斉に群れをなして巣箱から脱出するという惨事が発生。
巣箱のはちみつがいっぱいになりすぎてしまったことが原因だったようです。
それほどはちみつの収穫時期は繊細なのです。慌てふためく彼は大群を追って駆け巡りました。
もちろん蜂の大群はそのまま逃げてしまいましたが・・・。
こんな小さな失敗や工夫の積み重ねから、熱帯雨林はちみつは生まれています。